
新世代下水道の役割とは
水は私たちが生活をしていく中でなくてはならないものです。
この水は、川や海の水が太陽の熱で温められて蒸発して雲になって雨や雪を降らせます。
それらがめぐりめぐってまた川や海に流れているものなのです。
このように水は循環しているのです。
そして、昔は川が持っている自然の力で綺麗に浄化されていましたが、今となっては下水道はなくてはならない施設となっています。
また、近年の下水道の役割としては従来からの『水環境創造事業』に加えて、
・リサイクル社会構築への貢献
・情報化社会への対応
が【新生代下水道】の役割として求められています。
水に関わる資源や設備を様々な形で新しい役割を担おうとしています。
これこそが【新世代下水道支援事業】なのです。
下水道はどうして必要なのかよく考えて環境問題についても考えてみましょう。
また、毎年9月10日は下水道の日です。
市町村では、安全で快適な居住空間を実現し、河川などの水質汚濁を防止するために必要不可欠な公共施設である下水道について、より理解を深めるために下水道展を開催しています。
9月9日に行われた福岡県小郡市にある宝満川浄化センターの「2007 下水道展」も併せてを紹介します。
サイト情報ダイジェスト
施設の有効利用
下水処理場の上を公園や運動場などに使って土地スペースの
有効利用をしています。
また、地下をはしる下水道管に光ファーバーケーブルを通して
情報化社会への設備に貢献しています。
・公園
・運動場
・光ファイバーケーブル
*参照元(社)日本下水道協会(2003.7発行 下水道のおはなし)
下水道管は町の至る所の地下深くに下水管を走らせているだけに、
光ファイバーなどの新しい情報通信網を引くには適していると言えます。
また、台風などの自然災害や外的な原因による破損なども防げ、
安全面・保守面の両面からもメリットが多いことが伺え知れます。
下水処理場は広大な面積を有することが多く、
設備の屋上面を緑化するなど施設を有効利用しているのを
見掛けます。
実際に下水処理場を拝見しましたが、悪臭などは全くなく
公園などの設備として並行して利用することに問題点はないように
思えました。
下水汚泥の有効利用
処理された水と下水処理場から出る泥を様々な別資源へ
再利用することで有効利用しています。
・肥料
・レンガやタイルの原料
・砂利の代わりやセメントの原料
・ガス発電
*参照元(社)日本下水道協会(2003.7発行 下水道のおはなし)
随分以前ですが、浄水場の汚泥をバキュームで吸い取って
埋立地などに移動するバイトをしていたことがあります。
汚泥は定期的に除去していかないと、設備が正常に機能しなく
なってしまいます。
それだけに取り除かれる汚泥をリサイクル資源として、
再利用できればかなり資源の有効活用に役立つと思われます。
まさに一石二鳥となれば、たくさんのメリットが生まれるということ
ですね。
下水処理水の有効利用
下水道は汚れた水をキレイにしたり、浸水を防ぐだけでなく、
いろいろな資源としても利用されています。
・せせらぎ水路
・樹木への散水
・電車などの洗車
・雪を溶かす
・水洗トイレの水
*参照元(社)日本下水道協会(2003.7発行 下水道のおはなし)
下水処理水を水洗トイレなどで再利用することは最近では
よく日常生活の中で見る光景です。
デパートやショッピングセンターの水洗トイレで
「この水は下水処理水を再利用しています」という
貼り紙をよく見掛けるようになりました。
下水処理水を有効活用することで、上水道への負担を減らす
ことができるので、資源を有効活用するという意味では
大きなメリットがあると思われます。
下水道の種類
下水道の種類には下記の選択基準があります。
1、公共下水道
・都市計画区域であり、なおかつ特定環境保全公共下水道の選択基準に
該当しないもの
2、特定環境保全公共下水道
自然保護、農山村漁村
・狭義の公共下水道の区域外
・計画排水人口が概ね1千万人以上1万人以下
・計画排水区域の人口密度が40人・ha以上または、
公共・流域下水道と一体的に整備を行うことが効率的な場合
3、特定公共下水道
・都市計画区域外
・受け持つ工場数が20以上
・予定処理汚水量が1万?/日以上
4、流域下水道
既に流域下水道を施工中の箇所
新たに流域下水道の対象となる箇所
・環境基本法に基づく水質環境基準の定められた水域の
水質保全に必要なもの
・水域内人口が30万人以上または当該都道府県総人口の
1割以上
・処理区の計画人口が水域人口の5割以上または原則として
10万人以上。または、公共水域の水質保全上特に必要が
あり、また、計画人口が5万人以上かつ関係市町村が3以上
にある場合。
5、都市下水道
・集水面積が50ha以上
・浸水指数(浸水戸数×浸水回数×浸水時間)5000以上
・全体事業量3億円以上
・都市計画区域内
*参照:福岡県の下水道
下水道の役割
下水道の役割
1、公共用水域の水質保全
生活雑排水などが処理されないまま、川や湖に流れ込むと水質が悪化します。
そうすると川や湖から悪臭がしたり、魚が住めなくなったりしてしまうのです。
下水道は汚水を浄化して公共用水域に戻しますから水質環境の改善に非常に役立っています。
2、生活環境の改善
生活または生産活動に伴って発生する汚水が、住宅付近に滞留してしまうと
・悪臭
・ハエや蚊の発生
の原因となります。
それだけでなく、伝染病発生の可能性も高くなってしまうことが懸念されるのです。
下水道を整備することによって、汚水は速やかに適切に排除され、周辺の環境が向上することで快適な生活が保たれます。
3、下水道資源及び施設の有効利用
下水道は、処理水、汚泥、熱等の多くの利用可能な資源・エネルギーを持っています。
それらを再利用することによって、省エネ・リサイクル社会の実現に向けて大きな役割を果たしています。
また、下水処理場・ポンプ場の上部を公園等に利用したり、下水管に光ファーバーを巡らせて情報伝達に活用するなど、施設の有効利用が可能となっています。
4、浸水被害の防除
急速に市街化が進んだ地区では、雨水の浸透や貯水能力が低下してしまいます。
そのことは各地で浸水被害を発生させること原因となります。
下水道は河川、水路と共に雨水の排除のための重量な役割を担い浸水被害から町を守ります。
5、便所の水洗化
下水道が整備されると、従来の汲み取り式の便所に変わって、快適で衛生的な水洗便所が利用できるようになります。
日本の下水道の歴史
日本の下水道
日本の下水道は豊臣秀吉が1583年に大阪城築城に伴い整備したのが始まりです。
太閤下水と呼ばれ今も現役の下水であるから驚きです。
その300年以上の月日が経過し1900年に旧下水道法が制定されました。
日本最初の下水処理場は1923年に東京三河島に作られた汚水処分工場です。
*現在の三河島水再生センター
東京三河島汚水処分工場では標準散水ろ床法を採用しています。
日本最初の散気式活性汚泥法処理場は1930年に名古屋市堀留処理場と
熱田処理場が運転開始しました。
1934年には岐阜市で日本最初の分流式下水道が事業着手しスタート。
1960年頃に日本の下水道事情が大きく変わってくるのでした。
かつては糞尿は農業の肥料として農村に還元されていましたが、
日本の高度成長期と共に化学肥料が増産され、農村還元できない余剰ふん尿が急増しました。
そこで日本国内でし尿処理施設の建設が急速に進められることとなったのでありました。
1972年には大阪府寝屋川流域下水道にて、日本初の流域下水道の工事が着手されました。
その後1980年には下水普及率が日本全国で3割を超え、21世紀を迎えた2001年には
下水道普及率は6割を超えたのでした。
2006年3月現在の下水道普及率は69.3%となっています。
マンホールの豆知識
下水道に関係するものでは、みなさんご存知のマンホールがあります。
マンホールは必ず誰しもが目にしたことがありますよね。
しかし、そのマンホールについては結構知られていないことが多いのです。
そもそもマンホールって何のためにあるか知っていますか?
マンホールの存在理由は点検口の役割を担っていると言うことです。
マンホールには様々な役割があり、
・下水道事業
・雨水対策事業
・農業用水事業
・電話線
・光ファイバー
・ガス
などが埋設されている場所には必ず設置されているのです。
つまり、それらの維持・管理をマンホールを入り口として行うのです。
マンホールの形式
上から見たら全て丸い形のマンホールもその中身にはいろいろな形式があります。
その一つ一つをちょっと説明してみましょう。
●コンクリート製 方式圧入構築式 立坑兼用マンホール「浅型MMホール」
従来のマンホールは施工に長時間かかり、広い場所が必要で、交通渋滞が避けられない、コストが高い、などの難点がありました。立坑兼用マンホール「浅型MMホール」なら、専用の施工機によって、短時間かつ、狭い現場での施工が可能です。 コストも大幅に削減でき、経済的です。
●組立式楕円マンホール「Nホール」
通常のマンホールは、地中で丸い形をしているため、大きな場所を必要としていました。組立式楕円マンホール「Nホール」は、地中での形が楕円形のため、壁にぴったり寄せた省スペース施工が可能です。狭い場所での簡易な下水道工事に最適で、本管の取り付けも任意の位置にできます。
●プレキャストコンクリート製 組立式小型マンホール「NKホール」
近年、公共工事におけるコスト縮減と、簡易な下水道管路の構築を望む声が高まっています。組立式小型マンホール「NKホール」は、従来のコンクリート製組み立てマンホールの長所を損なわず、小型化を図ったプレキャストマンホールです。また、直壁などは、遠心力製法によって製造されているので、緻密で高品質のコンクリートです。
●回転圧入式立坑兼用プレキャストマンホール「MMホール」
MMホールは、コンクリート部材に回転を与えながら、直接地盤に圧入させ、マンホールポンプや推進工事の立坑などに用いる汎用性の高いマンホールです。
詳しい解説は、下のリンクをクリックして「ヒューム管ナビ」サイトをご覧ください。
●液状化浮上防止 下水道用 組立マンホール「アドホール(ロータス機能)」
地震が起きると、砂の粒子が揺れによって浮遊し、一時的に水のようになります。従来のマンホールは、この現象によって破損し、浮上していました。「アドホール(ロータス機能)」は、地中の水をマンホール内に吸い上げ、水の重みによって安定を保つことで、地震による浮上を防止した画期的なマンホールです。抜群の高性能を持ち、耐久性、施工性などにも優れています。
このように私たちが見ているマンホールの中身は実はいくつかの種類に分けれているということなのです。
水の循環イメージ
現在の日本の水の循環イメージは下記の通りです。

水は海や川の水が太陽の熱で蒸発することから始まって、
様々な経路をたどってまた海や川に帰ってきます。
まさに水は循環しているのです。
しかし、昔のように自然の力で治癒しきれる範囲を超えてしまい、
人の力を加えなければ水は正しい循環経路をたどれなくなりました。
家庭や工場から出される汚水は上記の下水処理場の仕組みを通り抜けて
綺麗な水となって自然に帰っていくのです。
しかし、下水処理場の力ばかりを借りるのではなく、昔のように
自然治癒でも水が循環できるように私たちの生活も改善していかなければ
なりません。
9月10日の下水道の日をきっかけに「水の循環」について考えてみましょう。